Mbok Ya Mesem (2)

 Lokananta CD 解説文シリーズ。「Ibu Pretiwi」から「Mbok Ya Mesem」です。


8. Mbok Ya Mesem, Slendro Sanga

 録音:1969年5月30日

 笑顔になってください。

 笑顔は、静かに悲しみを抱く人々をも心地よくさせます。憂鬱とは危ういものです。男は、若い頃、恋人同士だった頃に妻と交わした約束が、今でも大切に守られていることを望みます。一緒に笑い合いましょう。そして誠実に働きましょう。それこそが、私たちが望むことを成し遂げるための道なのです。


(メモ)

  • Mbok Ya ・・・please
  • Mesem ・・・to smile

あー、「Lumbung Desa」収録の同名曲と同じ解説です。前回さぼっていたのですが、曲名についてちゃんと辞書を引いてみました。まーだいたい最初のフレーズと同じ言葉です。しかし、あえて曲のタイトルとして訳すなら、例えば『ねぇ、笑ってよ』、『笑ってちょ』、『笑えっちゅーの』...申し訳ないっ...^-^;;。同じ臭いを感じさせる曲としては B'z の「となりでねむらせて」でしょうか。♪きみのとなりでねむらせて〜かえるところはひとつだぁけぇ〜...はれためでみつーめーないでぇ、はんせいしてまぁすっ。いいですね「Break Through」。

Beber Layar


Beber Layar

この録音の特色は、バンドゥンの Degung RRI が、スンダ地方(西ジャワ)の音楽を演奏していることです。

演奏:RRI Bandung Gamelan Degung
   リーダー:E. Tjarmed
   歌手:Iwik Suwarsih, Tjitjih Rukaesih, Munah Suryamah, Eros Rosita

カセットテープ(ACD-042)は、1973年11月22日に発表されました。

1. Beber Layar

 ランパック・スカル(Rampak Sekar)が取り入れられています。

 「Beber Layar」は、船が航海を始めようと、海へ向かうために『帆を揚げること』と訳すことができます。帆が揚げられると、風をはらんで、船は島々の間を航海していきます。

 船が荒れ狂う海を走る場合には、荒波のせいで不快な旅路になってしまいます。船員たちは、これが自分たちの選んだ生き方なのだから文句は言えないと言います。

 海岸にいる人々は、沈みゆく太陽を背にシルエットだけになった船を見て、遠くからその美しさを讃えます。

付記:
 「Rampak Sekar」は、合唱のことです。通常はスンダの歌に取り入れられませんが、スンダの女性たちが「Dharma Wanita」かまたは政府が組織した女性グループのメンバーだったために取り入れられたのでしょう。

Lumbung Desa

 Lokananta CD 解説文シリーズ、CD「Lumbung Desa」を曲がりなりにも全て訳出したので、まとめます。


訳文:

  1. Lumbung Desa, Slendro Sanga
  2. Lesung Jemengglung, Slendro Sanga
  3. Glopa-Glape, Slendro Sanga
  4. mBok Ya Mesem, Slendro Sanga
  5. Kembang Glepang, Slendro Sanga
  6. Aja Lamis, Pelog Nem
  7. Mari Kangen, Pelog Nem
  8. Praon, Pelog Nem
  9. Jula Juli Sunba, Slendro Sanga

原文:
Lokananta CD「Lumbung Desa」

Lumbung Desa


Lumbung Desa

カセットテープ(ACD-127)は、1977年11月1日に発表されました。

録音:Keluarga Karawitan Studio RRI Surakarta
演奏:ジャワガムラン・グループ チョンドンラオス(Condong Raos)
   リーダー:キ・ナルトサブド(Ki NartoSabdo)

1. Lumbung Desa, Slendro Sanga

録音:1968年7月29〜30日

 この曲名は、文字通りに「村の米貯蔵庫」と訳されます。村人たちが米を蓄えていく場所のことです。

歌:
 この歌は、田んぼで働く農民たちについてのものです。稲が収穫され、貯蔵所に保存される前に乾燥させられます。村に住む人々は一緒に、もみがらの付いた米を食べられるようになるまで突いて脱穀します。


(メモ)

  • Paguyuban ・・・a social relationship, association based on mutual interests
  • Jawi ・・・Java, Javanese
  • condhong ・・・in agreement (with)
  • raos ・・・(=rasa) mood, feeling, taste
  • Condong Raos ・・・Harmonious Feeling
  • Keluarga ・・・家族(インドネシア語


(参考)
日本ワヤン協会 : 千夜一夜 第51夜

Glopa-Glape

 Lokananta CD 解説文シリーズ。「Lumbung Desa」から「Glopa-Glape」です。


3. Glopa-Glape, Slendro Sanga

録音:1969年12月2日

 キ・ナルトサブドは、音楽のスタイルを混合する能力においても、優れた才気を発揮しました。この曲はジャワの歌ですが、スンダの太鼓スタイルとジャワの歌唱スタイルを合わせたものになっています。

歌詞:
 象は勝利を望んでいる。がっちりとした体と長い鼻を持ってはいるけど、鳥のように飛ぶことを望んでいる。鳥は翼を持っているけど、毒を持った蛇のようになりたいと望んでいる。一方、毒蛇は、象のような長い鼻を持ちたいと思っている。

 この歌は、実は人間のことを暗示した皮肉なのです。

mBok Ya Mesem

 Lokananta CD 解説文シリーズ。「Lumbung Desa」から「mBok Ya Mesem」です。


4. mBok Ya Mesem, Slendro Sanga

録音:1969年4月30日

 笑顔になってください。笑顔は、静かに悲しみを抱く人々をも心地よくさせます。憂鬱とは危ういものです。男は、若い頃、恋人同士だった頃に妻と交わした約束が、今でも大切に守られていることを望みます。一緒に笑い合いましょう。そして誠実に働きましょう。それこそが、私たちが望むことを成し遂げるための道なのです。

 この文も、歌詞かまたは歌詞の一部のようです。笑顔で暮らすことが、人を幸福にする、という主旨はよくわかるのですが、「若い頃に妻と交わした約束」のくだりはどういうことですかねぇ〜?唐突な感じは否めない...。その約束が、どうも大切に守られていないのではないかという疑惑が、男の胸の中で渦巻いているんでしょうか。それでもなお、妻を信じて笑顔で生きていかなければ、と自分に言い聞かせているのでしょうか?読みようによっては、なにやら深〜い感じです。^-^;; 男ってば悲しい生き物とでも言いたいのかなぁ〜?

Gending Soran

 Lokananta CD 解説文シリーズ、CD「Gending Soran」を曲がりなりにも全て訳出したので、まとめます。


訳文:

  1. Kebogiro Glendeng, Pelog Nem
  2. Tropongbang, Pelog Nem
  3. Manyar Sewu, Pelog Barang
  4. Maesa Liwung, Ladrangan. Slendro Sanga
  5. Wrahatbala, Slendro Manyura
  6. Udan Mas (Mtrm), Pelog Barang
  7. Tropongan, Pelog Nem
  8. Singa Nebah Ldr. Bima Kurda, Pelog Barang
  9. Rena-rena, Slendro Nem
  10. Ricik-Ricik, Slendro Manyura

原文:
Lokananta CD「Gending Soran」