2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

続・パリ万博

岐阜聖徳学園大学紀要としてウェブで公開されている資料の中に、ドビュッシーの楽曲におけるガムランによる影響に関するものがありました。安田香氏による「ドビュッシーの1890年前後の作品におけるガムラン・モチーフの扱いについて―ドビュッシーとガム…

空想音楽大学

小泉 文夫 著 「空想音楽大学」(小泉文夫著作選集4) 学習研究社(2003) 目次: 空想音楽大学 バリ島の豊かさ、日本の貧しさ(1972) ことばと音楽の問題(1966) 民族音楽と現代 歌謡曲がなぜ悪い 人間の歌の根元にあるもの 世界を聴く ガムラン音楽の魅…

呼吸する民族音楽

小泉 文夫 著 「呼吸する民族音楽」(小泉文夫著作選集2) 学習研究社(2003) 目次: 呼吸する民族音楽 オノマトペの背景(1978) シルクロードと日本音楽 日本音楽の諸相 伝統芸能の豊かな東南アジア 東南アジアと日本の音楽における親近性(1980) 伝統…

世界の師匠は十人十色

若林 忠宏 著 世界の師匠は十人十色 〜 民族音楽レッスン記 ヤマハミュージックメディア(2002) 目次: 第1章 師匠の心意気に触れて 第2章 伝統と謙虚 第3章 深い絆 第4章 音楽と人生 第5章 教え伝えるということ 門外漢の僕を可愛がってくださったわ…

世界の民族音楽

若林 忠宏 著 もっと知りたい世界の民族音楽 東京堂出版(2003) 若林さんの名前は、東京音楽大学民族音楽研究所で短期のセミナーなどを開いていたことで知りました。本書の表紙カバー写真にはガムランの楽器は写っていないようだったので、ガムランについて…

チブロンを作る

「ちぶろん」を変換したら「恥部論」になった。これはこれでなんかおもしろい。ちょっと論を展開してみたい気も...下ネタかよ...。 チブロンとは、ジャワガムランで用いる太鼓の中型サイズのものです。今日は皆さんに、自宅の居間で練習できるような「…

山城組スレ

2チャンネルに芸能山城組のスレッドが上がっています。2001年10月からなので、今さらという感じではありますが、なかなか興味深い内容になっています。 参考: http://music4.2ch.net/test/read.cgi/wmusic/1004196858/ 現在も所属している人や、かつ…

Sound Chaser

ガムランの影響(ポピュラー編08) Yes Sound Chaser(アルバム「Relayer」より) 久しぶりにプログレを取り上げると、なぜか穏やかな気持ちになります。 以前から知っていた曲ですが、ガムランの影響が聞ける音楽の一つとしてなかなか思い出すことができま…

American Gamelan

前回の中で、American Gamelan について少し触れました。別に間違ってはいないのですが、ウェブで情報を拾ったので、フォローします。 American Gamelan とは、ジャワガムランの楽器に倣って、主にアメリカ人が作成したガムランの一スタイル。最初の America…

Works for Gamelan

前回、Lou Harrison にはガムラン関連の楽曲が山のようにあると書きましたが、Leta Miller の書いた記事にそういった曲のリストがありましたので、地域別に分類して引用しようと思います。ネタ元は下記の URL です。 参考: American Music (Summer, 1999) "…

Varied Trio

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編08) Lou Harrison Varied Trio, for Violin, Piano and Percussion Lou Harrison の音楽には、パーカッションアンサンブルを取り込んだ楽曲が非常に多く、下記に紹介した「Tammittam Percussion Ensemble」による CD…

Suite

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編07) Lou Harrison Suite for Violin, Piano and Small Orchestra ジャズピアニスト、キース・ジャレットは彼自身芸術音楽の作品も発表していますが、ペルトなどの現代音楽の作曲家の作品もよく演奏しているようです…

Double Concerto

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編06) Lou Harrison Double Concerto for Violin and Cello with Javanese Gamelan ジャワガムランと西洋擦弦楽器による二重協奏曲です。下記の CD はこの曲の世界初録音とか。作曲者自身が太鼓を叩いている模様。なか…

エキゾ音楽超特急

サラーム海上 著 とびだせジャパニ! エキゾ音楽超特急 双葉社(2003) これまでこの Blog で紹介した、そして今後ここで取り上げるであろう書籍は、およそ学者筋かまたはプロの音楽家が著したものがほとんどになるだろうと思います。が、今回のはライターさ…

ゲイの才能

数年前に、デザイナの叔父と高原の山荘で、酒など酌み交わしながら四方山話をしていたときのこと。どんな脈絡だったか憶えていないのですが、叔父が「ゲイの才能にはかなわないなぁって思うことがあるよ。」と言っていたことがありました。叔父は若い頃、今…

翠星交響楽

ガムランの影響(ポピュラー編07) 芸能山城組 翠星交響楽(Ecophony Gaia) ビクターエンタテインメント(1990) 1990年の花の万博(大阪)でランドスケープ・オペラ「ガイア」という出し物に使われていたらしい。 参考: http://members.at.infoseek.c…

AKIRA

ガムランの影響(ポピュラー編06) 芸能山城組 Symphonic Suite AKIRA(交響組曲アキラ) ビクターエンタテインメント(1988) 近所にある居酒屋のにーちゃんはロック小僧で、飲みに行くとよくロック談義などするのですが、いつだったかガムランが話題に上っ…

輪廻交響楽

ガムランの影響(ポピュラー編05) 芸能山城組 輪廻交響楽 ビクターエンタテインメント(1986) 最近、秋葉原の某 CD ショップで芸能山城組の CD がどこにあるか探してみたら、「J-POP」の棚に発見。何か違う... 自分のガムランとの出会いはこのアルバム…

続シルクロードアンサンブル

以前シルクロードアンサンブルに触れた際に、イランの弦楽器奏者のことを、印象に残っているにも関わらず名前等失念してしまったと書きましたが、わかりました。 奏者の名は「ケイハン・カルホール(Kayhan Kalhor)」、1963年生まれとか。弾いていた楽…

Killer Tsunami

スマトラ沖地震に関するニュースを、地震発生後にテレビで見ない日はありません。とうとう死者15万人超というとんでもない規模であることが明らかになってきました。あまりニュースサイトなどは見ないのですが、たまたま寄った次のサイトをしばらくクロー…

ガムラン武者修行

皆川 厚一 著 ガムラン武者修行 - 音の宝島バリ暮らしPARCO出版(1994) 日本のバリ音楽シーンの第一人者である皆川厚一氏が、バリ島での留学時代に経験した様々なエピソードを綴った体験記。最近、装丁も新たに増刷されたようです。皆川さんの文章は読みや…

版画

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編05) Claude Debussy(1862〜1918) 版画(Estampes) 全音楽譜のスコアには松平頼則氏の解説があり、第1曲「塔」について「ジャワ音楽の影響を示すもの」とのコメントがあります。加えて、スレンドロの旋法によると…

パリ万博

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編04) 歴史上、西洋音楽に対してガムランが最初のインパクトを与えたのが、1889年のパリ万博と言われています。そこでは、当時西洋列強の植民地であった東南アジア諸国の文化や風俗などが「展示」され、かなり盛況…

光の波

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編03) 西村 朗(1953- ) 弦楽四重奏曲第2番「光の波」(1992) やっかいな曲です。CD のライナーに作曲者自身のコメントがあるので、そこから抜粋して引用します。 <第2部>後半のリズム・ホケット(Hocket)の部…

西村朗打楽器音楽作品集

「西村朗打楽器音楽作品集」第1集 全音楽譜出版社(1998) 西村朗氏のアルバム「ケチャ・彩色打楽」収録曲全曲のスコアです。スコアを見ながら CD を聴いていると、いろいろなことがわかって来ますが、打楽器でケチャのように入れ子のリズム構造を作ってあ…

彩色打楽

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編02) 西村 朗(1953- ) ケチャ・彩色打楽 このアルバムは、インド音楽とガムラン音楽の影響を元にした西村さんの作品、それも「パーカッショングループ72」というグループのために書かれたパーカッションアンサン…

ジャワ英辞書

今日、Amazon で「Javanese-English Dictionary」を注文しました。出版元は「Periplus Editions」社。印刷はシンガポールのようです。んー全く未知の出版社です。本当はジャワ語を日本語で解説した辞書が欲しかったのですが...もちろん無いので...まぁ…

シルクロードアンサンブル

NHK総合テレビ プロローグ「25年目のシルクロード」 2005年1月1日放送 番組の第2部で、チェロ奏者のヨーヨー・マ率いるシルクロードアンサンブルを紹介。「新シルクロード」の音楽のメイキングを垣間見るような内容でした。タングルウッドに集ま…

熱帯の旅人

Colin McPhee (1901〜1964)著 熱帯の旅人―バリ島音楽紀行 (原題:A House in Bali)大竹昭子 訳 河出書房新社 1990年発行 Britten の「パゴダの王子」を紹介した際に、少し触れた Colin McPhee 氏のバリ島滞在記です。時代は折しも2つの大戦の間、193…

Tjandi Bentar

ガムランの影響(ポピュラー編04) KENSO Tjandi Bentar(アルバム「天鵞絨症綺譚」より) KENSO のキーボードプレイヤー小口健一氏の作。「Tjandi Bentar」とは、バリの「割れ門」と呼ばれているもので、「チャンディ・ブンタル」のように読みます(「Candi…