Gambir Sawit (4)

 Lokananta CD 解説文シリーズ。「Klenengan Gobjog」から「Gambir Sawit」です。


4. Gambir Sawit, Pelog Nem, pancerono (pacarcina)

 シンデン: Prendjak

 「Gambir Sawit」は、スレンドロ・ソンゴまたはペロッグ・ヌムで演奏されます。舞踊「Gambyong」の伴奏に適しています。かつてのマジャパヒト(Majapahit)王国はヒンドゥー仏教でしたが、最後にはイスラムの力に屈しました。

 「Gambir Sawit」は、マジャパヒト王国の最後に、イスラムへの改宗を望んだヒンドゥー仏教の人々を祝福した音楽です。1478年にはマジャパヒト王国は衰退していて、王国にイスラムが入ることが可能になっていました。多くの人々がイスラムの信仰へと変わることを決意したので、スナン・カリジョゴ(Sunan Kalijaga)は「Gambir Sawit」を作曲することによって人々が容易にそうなることを祝福しました。この曲は、人々が強いられたのではなく、幸福の内にイスラム改宗した、その容易さについて述べています。

 「Gambir Sawit」は、中央ジャワのレパートリーの中で、軽い古典曲の主要なもののひとつです。この曲は、ソロとジョグジャのスタイルで演奏する全てのガムラン演奏家に知られています。軽い古典曲と位置づけられる理由は、それが長い形式で、ジョグジャや特にソロではルバブ、グンデル、シンデンがより即興的になります。即興の余地が多いため、軽い古典曲とされるのです。

 スナン・カリジョゴは、「Singa Nebah」の解説にも名前がありました。もしかして有名人でしょうか?「Gambir Sawit」は、この曲名がタイトルになっている CD がありました。ここではその解説の要約と言った感じになっています。