Pangkur
Lokananta CD 解説文シリーズ。「Klenengan」から「Ladrang Pangkur」です。
Klenenganカセットテープ「Klenengan Gobyog」(ACD-002)は、1971年9月4日に発表されました。
1. Ldr. Pangkur (molak-malik), Slendro Manyura
「Ldr. Pangkur」はとても人気のある作品です。この曲は、スレンドロ、ペロッグ両方のチューニングで異なった調で演奏されます。一回の演奏で一つの調から別の調に変化することを「molak-malik」と言います。この演奏においては、5分41秒のところでスレンドロ・マニュロからペロッグ・バランに変わります。そして、9分28秒のところでスレンドロ・マニュロに戻ります。ゲロンの歌詞はプシンデンの歌詞に追従するのが普通ですが、ラドラン形式の他の作品に似てしまうのを避けるために、時にはプシンデンがパンクルを歌う一方でゲロンがキナンティを歌ったりすることがあります。この録音がその例です。「Pangkur」は多くの異なったアレンジで演奏されます。
「Ldr. Pangkur」は、伝統的なジャワの歌「macapat pangkur paripurna」に基づいています。この歌は、マンクヌガラ4世の治世からパク・ブウォノ10世の治世までの間に、Raden Mas Haryo Tondo Kusuma によって作られました。「Ldr. Pangkur」は、最も有名な macapat(ジャワの朗唱される詩)に基づいた、ラドラン形式の楽曲です。様々なチューニング/調で演奏されることがあります。それらは、スレンドロ・ソンゴ、スレンドロ・マニュロ、ペロッグ・ヌム、ペロッグ・ニャマッです。どれもが耳に心地よいのですが、オリジナルはスレンドロ・ソンゴと言われています。
その人気から、「Ldr. Pangkur」の音楽を使って多くの踊りが演じられます。例えば、「gambyong pangkur」、「tari kuda-kuda」、「golek pangkur」など。また、コミカルな演目が「Ldr. Pangkur」とともに始まることもあります。
(メモ)
- PB X ・・・パク・ブウォノ10世(Paku Buwana X, 在位 1893-1939)
- Mangkunegara IV ・・・マンクヌガラ4世(在位 1853-1881)
- pelog nyamat ・・・pelog nem のうち、マニュロの旋律型のみを用いるものを特にペロッグ・ニャマッと呼ぶことがあるらしい。(= pelog manyura)
- paripurna ・・・complete