Maesa Liwung

 Lokananta CD 解説文シリーズ。「Gending Soran」から「Maesa Liwung」です。


4. Maesa Liwung, Ladrangan. Slendro Sanga

 「Maesa」は、カリブー、水牛のこと。「Liwung」は、ためらっている、迷っている、戸惑っている、そういう状態。「Maesa Liwung」は、スラカルタの王宮における一つの儀式です。

 「Trendowahono」と呼ばれる村があります。ソロの北7kmに位置し、幽霊のせいで有名になりました。幽霊が人々を邪魔しないようにするために、「Maesa Liwung」の儀式が催されます。人々は身の安全を願って、この村に集まります。儀式は1年に1度です。

 「Dados」は、それが舞踊の伴奏において音楽的に高い趣味嗜好であるために、ここで用いられます。
 チブロンは快活な性格を表すものですが、この曲において使われている太鼓の手には、悲しみと疑惑のない交ぜとなった音色が現れています。これはつまり、「Maesa Liwung」が疑惑やためらいを意味しているためです。

 この曲は、舞踊「Wudotomo」、「bribil」、ワヤン・オランでも使われます。ワヤン・オランにおいては、気難し屋の Rahwana や Bima を伴奏するために演奏されます。どちらもたくましいキャラクタです。劇の中盤に、ランチャラン形式で演奏されます。