2005-01-01から1年間の記事一覧

織りなす魔法の踊り

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編15) フェビアン・レザ・パネ(Febian Reza Pane) 織りなす魔法の踊り(Weaving Magic Dance) フェビアン・レザ・パネは、ピアニスト。ギタリスト宮野弘紀率いるグループ「アコースティック・クラブ」でピアノ弾い…

平安京 音の宇宙

中川 真 著 平安京 音の宇宙 ガムラングループ「マルガ・サリ」を率いる音楽学者の中川真氏の著作としては、最も世間の評価が高いと思われる一冊。なにしろこの本、サントリー学芸賞、京都音楽賞、小泉文夫音楽賞と、そうそうたる受賞歴です。 目次: 時の風…

ジャワ語の基礎

石井 和子 著 ジャワ語の基礎 ジャワ英辞書を購入したものの、それだけでは心許ないので、日本語のテキストのようなものを探したところ、む、ありました。なかなかグーな感じの、と言うかこれしか無いような...。昭和59年発行にして、現在でも書店で入…

続・バッカナール

「聴き始めるとたいへんなことになりそうだ」と、見て見ぬ振りをしていたケージですが、前回「バッカナール」を取り上げてから、やっぱりちょっと気になりだしています。まずは、音源をもう一つ紹介します。 ジョン・ケージ ある風景の中で BMGファンハウス…

続々・心中天網島

今日は年度末。そろそろ、世の中の多くの会社が決算などする季節です。ふーっ...。 映画「心中天網島」の話題においては、ガムランがらみであるとして紹介するような情報はもうないのですが、この映画を軸に様々な情報にあたって行くと、ついでに触れてお…

音は風にのって

中川 真 著 音は風にのって Lou Harrison の「Double Concerto」を取り上げた際に、名前が出ました中川真氏の著書です。氏は、サウンドスケープ、サウンドアート、東南アジアの民族音楽を主な研究領域とする音楽学者、大学の先生です。また現在、ガムラング…

続・心中天網島

「心中天網島」は「しんぢゅうてんのあみじま」と読みます。念のため。この映画、「ガムランの影響」として取り上げたものの、ガムランが聞こえるのはほんのちょっとです。と言うか、音楽のなっている時間がものすごく少ない。そのせいで、かえって聞こえる…

心中天網島

ガムランの影響(番外編01) 「ガムランの影響」のシリーズでは、一応ガムラン音楽の他ジャンル音楽への影響を紹介するということをテーマとしています。「ポピュラー編」と「クラシック/現代音楽編」の2本立てて進めてきましたが、ここに来て困ったことに…

Tiger

パソコンでこの Blog を見ていただいている方の多くは、きっと Windows PC なのだと思います。しかし、最近 iPod で元気な感じの米 Apple 社による、現在迷走中の愉快なパソコン Macintosh を忘れてはいけません。仕事の関係で利用している Macintosh なので…

世界音楽の時代

ロバート・P・モーガン 編集長木 誠司 監訳 世界音楽の時代 〜 西洋の音楽と社会11 ― 現代2 「西洋の音楽と社会」と言う全集物の第11巻です。20世紀の西洋現代音楽を、各地域別にまたは切り口別にそれぞれのエキスパートが解説した文章を、翻訳した…

SUN

ガムランの影響(ポピュラー編18) UA SUN 曲目: そんな空には踊る馬 忘我 ファティマとセミラ 踊る鳥と金の雨 papito Lightning ROMA 5 Eboh Ua Ua Rai Rai ビクターエンタテインメント(2004) ASIN:B0001DD0VM このアルバム中の何曲かでは、バリ人の楽隊…

続々・ヴェニスに死す

前回に引き続きオペラ「ヴェニスに死す」の第2幕をたどってみようと思います。が、それにしても、オペラってなーがーいーぜー。このオペラは、ここで紹介した音源で140分超です。なんかちょっと確認しようと思っても、該当部分を探すのに時間がかかるし…

カゼひいた

昨日の夜に少し寒気がしたので、今日の仕事はどうしようかと思いましたが、大事をとって休養することにしました。ここのところ軽い花粉症に悩まされていたので、カゼだかアレルギーだかちょっと微妙な感じだと思ったのですが、寒気に加えて頭がぼーっとして…

続・ヴェニスに死す

続かないと思ったでしょ?この話題。っていうか、あんまり興味ないっすかね?まぁそんな声はあってもなくても、かまわず続けます。本当は「パゴダの王子」を掘り下げるのが筋だとは思うのですが、スコア未入手のため、あんまり掘れないので、代わりにね..…

砂の岬

ガムランの影響(ポピュラー編17) THE BOOM 「砂の岬(Ponta de Areia)」(アルバム「TROPICALISM-0°」より) THE BOOM TROPICALISM-0° ソニーミュージックエンタテインメント(1996) 曲目: JUSTIN TROPICALISM 漁火 TIMBAL YEL Call my name 街はいつも…

ブランカ

ガムランの影響(ポピュラー編16) THE BOOM 「berangkat −ブランカ−」(アルバム「極東サンバ」より) この曲CMで使われてました。調べてみたら、JALのバリ島キャンペーンだそうな。残念ながら映像までは思い出せない。そんなこの曲にガムランの影響が…

アネカサリ・公演

今日は、アネカサリ(東京音楽大学社会人グループ)のチャリティーコンサートがありました。場所は、豊島区役所の裏手にある豊島区民センター6F文化ホール。当初オーディエンスとして行くつもりだったのですが、縁あって演奏に参加しました。インサイダー…

ヴェニスに死す

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編14) ベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten) 歌劇「ヴェニスに死す」(Death in Venice, 1973) このシリーズの記念すべき第1回において、ブリテンのバレエ「パゴダの王子」を取り上げました。あれ、なんかこ…

もうそろそろ

今日は雛祭りです。深夜に雪になるそうですが、夜10時頃はまだ雨。今日はバスで帰宅することにしました。 思いつきで駄文を書き始めて70日を超えました。自分としてはなかなか上出来。よく続いたと自分をまずは誉めたい。続けることが大事ですからね、内…

銅之剣舞

ガムランの影響(ポピュラー編15) 芸能山城組 「銅之剣舞」(「恐山/銅之剣舞」より) 芸能山城組 恐山/銅之剣舞 ビクターエンタテインメント(1976) 曲目: 恐山 銅之剣舞 ASIN:B000064WES キャーーーーーッ。いきなり女性の叫び声。自分の知人にホラー…

踊る島バリ

東海 晴美、泊 真二、大竹 昭子 取材・編 内藤忠行、他 写真 踊る島バリ ― 聞き書き・バリ島のガムラン奏者と踊り手たち PARCO出版局(1990) この本は、バリ島プリアタン村のグヌン・サリ楽団を率いていたマンダラ翁(Anak Agung Gede Ngurah Mandara, 1905…

2台のピアノのための協奏曲

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編13) フランシス・プーランク(1899-1963) 2台のピアノとオーケストラのための協奏曲 ニ短調(1932) 1931年パリ東部バンサンヌで開催された「国際植民地博覧会」において、バリ島プリアタン村のグヌン・サリに…

Discus 1st

ガムランの影響(ポピュラー編14) Discus Discus 1st (1999) 曲目: Lamentation & Fantasia Gamelantronique Lamentation Fantasia Gamelantronique For This Love Doc's Tune Condissonance Dua Cermin Wujudkan! Violin Metaphysics Anugerah Contrast…

ジャワ英辞書・到着

今年の1月5日に Amazon でオーダーしたジャワ英辞書がやっと届きました。2月に入るのはしょうがないと覚悟していましたが、月末になるとは...遅いよ!!!どうやら一緒に頼んだ CD がなかなか入荷されなくて、それに引っ張られたらしい。タイムオーバ…

人はなぜ歌をうたうか

小泉 文夫 著 「人はなぜ歌をうたうか」(小泉文夫著作選集1) − 小泉文夫フィールドワーク 学習研究社(2003) 目次: 人はなぜ歌をうたうか 音楽の場 打楽器の文化史 子守唄の社会学 わらべうたと民族性 人はなぜ歌をうたうか アジアの音楽・ヨーロッパの…

はじめての世界音楽

拓植 元一、塚田 健一 編集 はじめての世界音楽 ― 諸民族の伝統音楽からポップスまで 音楽之友社(1999) 目次: 序章 世界音楽と変容する伝統 第1章 アフリカ 第2章 ヨーロッパ 第3章 西アジア・中央アジア 第4章 南アジア 第5章 東南アジア 民族文化…

微笑む

ガムランの影響(ポピュラー編13) チャクラ 「微笑む」(アルバム「さてこそ」より) 知人持参のCDより、自分の音楽的興味の死角からのもう1枚。なんとこのアルバム、YMO の「テクノデリック」と同じ発売日、1981年11月21日です。しかも制作協力…

NEUE TANZ

ガムランの影響(ポピュラー編12) YMO 「NEUE TANZ」(アルバム「テクノデリック」より) つい先日、知り合いがこれも取り上げろと、2枚のCDを持参。おー、噂には聞いていた「テクノデリック」。アネカサリの管理人さんが取り上げていたやつです。YMO 流…

続々々・トゥーランガリーラ

トゥーランガリーラ交響曲 導入部 愛の歌1 トゥーランガリーラ1 愛の歌2 星の血の歓喜 愛の眠りの園 トゥーランガリーラ2 愛の展開 トゥーランガリーラ3 終曲 第1楽章「導入部」に続いて、メシアンがプログラム・ノートで触れているガムラン部分を掘っ…

続々・トゥーランガリーラ

メシアン先生、いったいどこでガムランに出会ったんでしょうか。パリ国立音楽院の学生時代や、同校の教職に就いた後にも、音楽院所有のジャワガムランの楽器に触れる機会はあったでしょう。しかしそれよりも、「トゥーランガリーラ交響曲」へとつながる材料…